誰もが幽霊〜?

『幽霊』観てきました。

事前学習など全くしていなかったので、お話的には「ん?」なところもあり、なんだかモヤモヤとした気持ちが残ってしまった感がありまして・・・。

なので、今更ながらイプセンのことをちょっと調べ、「幽霊」の物語についてもちょっと調べてみました。

「あ〜 なるほど」

と合点がいったわけなんですが、観に行く前に知っておけばよかった〜と、後悔先に立たず・でありますね(笑)。

さて

メインの舞台セットは、やたらと長いソファーと立派な観葉植物。
初めから終わりまでほとんど変わらない衣装。

お話が進んでもそれらのものには何の変化もないのに、そこに登場する5人の人間模様はどんどん変化して、2時間10分があっという間の時に感じるストーリー展開。

確かに瞳子ちゃんが「幽霊は幽霊でも、お手々ぶらぶらの方じゃありませんよ〜」と言ってた通り、誰しもが持っている心の中の「幽霊」を実にうまいこと表現してあるな〜と思いました。

アルヴィング夫人は瞳子ちゃん自身が語っていたように、上品さがありながらも女としての打算的部分も見え隠れする未亡人として、とても美しく魅了ある女性として存在していました。

そして「台詞の量が半端なく多い」と話していた通り瞳子ちゃんをはじめ、皆さんほんとに多かったですね〜。
なかでも・牧師さんの台詞量は凄い。

よくもまあ〜忘れたり、言い間違えたり、つっかえたりしないもんだな〜とその部分にも感心して観ておりましたが、このお話そのものは悲劇なんだけどそこで繰り広げられるドタバタは、実は笑えるところ・・と話されていたように、牧師さんのドタバタぶりがやっと終演後の演出家森さんのお話で納得できました。

落ち着きのない牧師さんだな〜と思っておりましたんで(笑)。 



今回2回観劇して、瞳子ちゃんアルヴィング夫人がほんとに綺麗で、それだけでも十分満足でございましたが、歌や派手な音楽・セットがなくても、いえ・そういうことがなかったことそのものにも気が付かないほど台詞だけの世界に引き込まれて、登場人物達の心の襞を覗くことができた舞台でした。

24日のトーク・ショーを聞いた後に「あ〜もう1回観ることができたらな〜」と心底思いましたが、それは叶わないことなのですっかり諦めて帰りましたが、こんなに考えさせられるいい作品が東京公演だけ・・しかもたった12回公演だけとは、なんてもったいないんだろう、と思わずにはいられません。


瞳子ちゃん曰く「まだまだ進化の途中」らしいから、きっと千秋楽には十分な手ごたえを掴んで幕を下ろされるのでしょうね。
あと6回公演・・・もし観ていない方がいたとしたら「今ならまだ間に合いますよ〜!」っと、私があと一回観たかった分も込めまして、宣伝させていただきましょう〜!!