とうこノーマと至福の時間

さて・ノーマと言えばその豪華な衣装も見どころのひとつでした。
7着お召しになってたんですかね。
2着めのグレーっぽい衣装は、階段の上からひと言ふた言ジョーと会話しただけであっという間に引っ込んでしまう幻の(笑)衣装。
けっこう〜このドレスは好きだったな〜。

以外と似合っていたのが(しっくりかな)ゴールドのド派手なドレス・・・いえいえどれも素敵に似合ってたんだけど、あの派手さが似合うって事は大女優の証です。

けど・やっぱり最後のなんの飾りもない真っ白のドレスが一番美しかった。髪も真っ白でね・・・。
初めてみた時、白いショールとかつらが取れた時には「えっ?」と思ったけど、自然な動きと演出になるほどと納得したものです。

さてさて・
とうこちゃんがお稽古の時は少し孤独感を感じた・と言ってたようにノーマは舞台上ではジョーやマックス以外の人達とは殆ど絡んでいないのですよね。

いろんな人々が出ているけど、その人たちの住む世界とノーマの住む世界には若干の隔たりがあるから、ノーマがパラマウントに出かけて行き、そこの現実世界を目の当たりにした時のノーマの戸惑いが手に取るように分かって、わずかな時間だけどここのノーマには哀れさを感じずにはいられなかったです。
けど、
懐かしい仲間から握手を求められ、だんだん当時の気持を思い出していくノーマは強かった。

何も変わらない・と納得するノーマに、たとえそれが「誤解」が与えた世界であっても、みんなに囲まれて幸せそうに微笑む時間がひと時だけでも持てたノーマの、このシーンにはなんだか救われたような気持にもなりました。

ジョー役の田代万里生さんはほんとに出ずっぱりだったんですね。ちょっと引っ込んだかと思う間もなくもう次には出てるし。
あんなに動いて歌ってたらそりゃ〜大汗もかくでしょうね。

ジョーがノーマと出会い、ノーマの世界に引きずり込まれていくさまは実に分かりやすかったけど、ノーマと過ごしながらも時々ふっと現実の自分を取り戻す瞬間が結構好きだった。
それはノーマにも感じたことだけど、ノーマの世界に生きるジョーが我に帰る瞬間と、自分の世界に生きるノーマがジョーに魅かれながらも大女優のプライドを思い出す瞬間は、同じように人としての誇りを見せつける場面でもあり滑稽な場面でもありました。

ベティ役の彩吹真央さん・とっても可愛かった・・・。ただ22歳って設定には少々驚いたけど(笑)。
ベティがジョーを多少なりとも利用してこの世界で伸し上がっていこう・・・と・しているようには全然感じられなかったけど、婚約者との間で揺れる気持は分かり易かったかな。

ベティとジョーがお互い魅かれあっていると気持を確信しあったあと、階段の上から手に手を取り駆け降りるシーンではジョーの勢いが凄くて、どんなに階段には慣れている元タカラジェンヌでも、足を踏み外すんじゃないかって心配になりましたよ。
けど、ベティがジョーに引っ張られるようにして走り去っていく姿は、もう〜かわいいっのひとことです。

そしてマックス。
彼は実に不思議な人でした。元映画監督であり・元ノーマの旦那さまであり・今のノーマの執事・・・。
「マダム」と仕えるようになるのにどのくらいの時間が必要だったんだろう・・・なんてことも思いながら、マックスもノーマの世界でしか生きられなかったんだろうな〜とか、もしかしたらマックスの世界にノーマが住んでいたのかもしれないな〜・・・といろんな想像を膨らませる事の出来る人物でした。

他の共演者の方の中には見覚えのある方もいて『MITSUKO』で一緒だったんですね。
いろんな縁で繋がっているのでしょう・きっと。


フィナーレで最後に階段の上から登場するとうこちゃん。
それはそれは美しい微笑みで、共演者の方々を見ながら降りてくる光景は、いつか見たあの光景と重なりこんなに階段が似合う女優さんはいない・と(ファンなら)誰もが思っただろう至福の時間でした。



千秋楽の日にあったファン・ミーティングでは、公演後のお疲れな様子は微塵もなく、ちょっと身軽な感じと穏やかな感じがとうこちゃんには漂っていました。
公演で歌った歌も聞かせてもらったし、写真も一緒に写してもらったし、お話しもちょび〜っとさせてもらったし、この日は心から「生きててよかった!!」と神様に感謝いたしました(笑)。



今、とうこちゃんはノーマの魂から解放されて心穏やかに過ごされているのでしょうか。
次とうこちゃんに逢えるのは・・・・
えっ?!

5ヶ月も先〜??!!

もう そんなに待てないよ〜 とうこちゃんってば〜
                        (笑)