再演するには多すぎる

スカステ放送の星組中日公演『愛するには短すぎる』を見ました〜。
湖月さんととうこちゃんのイメージが強過ぎてど〜かなぁなんて思いで見始めたんだけど、柚希さん・凰稀さん・ねねちゃん・それぞれの個性が出ていて、これはこれでとても面白かったです。

なんてったって、みんなが若い!(笑)。
幕開きのフレッドの子ども時代を千寿はるさんがやっていたのにはちょっとばっかり驚きましたが。「えっ?子役??」みたいな(笑)。

けど、千寿さんは06年の「愛短」の新公でもマイケル・ウェインをやってたんですね。なんだか不思議な偶然だけど、本人も懐かしかったかも・ですねぇ。

若いと言えばマーシャル船長・こちらも随分とお若い。この役はコミカルな動きやセリフが、06年の立樹遥さんの可笑しさであまりにも印象が強いため、少々物足りない感じはしたけど、十碧れいやさんも若い中にも落ち着いた雰囲気はあって、将来の大物振りが感じられます(はい・勝手に言わせてもらいますです)。

で・
柚希さんフレッドは、やっぱり大きいから包容力は十分に感じられました。ねねちゃんバーバラを包み込むようにして話すシーンは「ホントに2日後には別れられるの?」って心配になるくらい「好き」が見えたんですがねぇ。
また、ねねちゃんがあまりに涙をぽろぽろ零すから、見ていて切ない切ない。

湖月さん白羽さんバージョンでは「船を降りたらそれぞれの生活が始まって行くんだろうな〜」と・「やっぱり船上の4日間の特別な時間だったんだよな〜」・と割り切れる想いがあったけど、このお若い二人の場合はこんなに好きなんだから「船は降りても気持は降りれないだろう〜」なんてどうでもいい心配をしてしまいましたよ。

これは中日公演だから銀橋がないのは分かってるし、特別「銀橋が〜」なんて思いもしなかったんだけど、最後フレッドとバーバラが別れるシーンでは、やっぱりねねちゃんには銀橋を走って去って欲しかったなぁ。
せめてもの救いは花道があったからまだ距離が長くなってよかったけど、舞台を走るだけじゃあっという間にソデに隠れちゃって、フレッドの台詞が生かされないし、なんだか慌ただしいわ(笑)。

見る前はなんとな〜く不安だったフレッドとアンソニーの関係もいい具合に面白かったです。
アンソニーのちょっと軽いところもおちゃらけたとこも、ひっくるめて分かっていてフレッドには親友なんだろうな〜と分かる関係性がよかったです。何よりふたりの並びは幸せです。美しいもの(笑)。

見終わって不思議だったのは、とうこアンソニーは特別お歌のうまいアンソニーだったから、それを歌うかなめアンソニーにはちょっと納得いくかな〜なんて思っていたのに、そこんとこに不満はまったくなかったことです。

凰稀さんがとってもしっかり歌われていたこともそうだけど、ここでのアンソニーは凰稀さんのアンソニーであって、そこにとうこちゃんが重なったり、違いが気になることがまったくなかった事が自分でもほんとに不思議でした。まぁどちらかというと柚希さんフレッドの方が湖月さんフレッドとの違いを気にさせるシーンがあったけど。
それでも、同じ作品でも演じる人が変われば作品自体も変わるわけで、そこを「ここが違う・あそこが違う」と気にしながら見てはつまらない・ということも見終わった後の収穫でした。


これを見ている時、部屋の中をうろうろしていた娘はその時流れたねねちゃんの歌声を聞いて「あんまりじょうずじゃないね」と、正直な感想を言い放ちましたが、言ってはならないそのひと事に動揺した私は「いいのよ・ねねちゃんは可愛いから」と即答しておりました・・・・・。そこは事実です・がぁ・ということは常々自分でもそう思っているのかしら・・・ねぇ(笑)。

この『愛するには短すぎる』がまた公演されるけど、今度もまた同じ作品でありながら違う作品になるのでしょう。
楽しみです。
が・
再演もいいけど

「愛したがゆえに会えない時間が長すぎる」(笑)

と題し、フレッドとバーバラのその後を描いて欲しいわ。フレッドはナンシーと結婚しバーバラも家庭を持つも、お互いのことが忘れられず、けど伴侶がいるうちは会うことが許されず、お互いひとり身になったところで再会するのよ。
けど・
〜なぁ〜んてのんびりした事言ってられなくて、お互いのパートナーを裏社会のボスに・・・・まさに正塚ワールド的展開なんだけど、宝塚向きではないわね。


どうでもいいことでした。

『ル・ポァゾン』は途中眠りこけておりましたんで、もう一回見てこようと思います。