赤〜い花びら〜♪

2010年花組公演の『虞美人』のスカステ放送を見たけど、なかなかに面白うございました。最初こそ難しい名前とややこしい国間の争いに「誰・それ?どこ・そこ?」となりながら必死で見ておりましたが、段々分かってくると項羽やら劉邦の思惑より、回りの策略がどう進んでいくのかが面白くて、ちょっとドキドキしながらの時間でありました。

ただ、お話し自体はかなりな大作を短く短くまとめました〜ってな感じはして、急展開過ぎる場面転換にいっそ気持ちいいほどのあっさり感も味わえましたが(笑)。
この公演中にスカステで流れていたシーンで印象的だったのが、項羽と劉邦の義兄弟の契りのシーンで、当時はなんとなく仲良しこよしの関係が軸で進んでいくストーリーなのかな〜と思っていたけど、そう簡単な話ではなかったんですね。
ふたりを固める回りの人物たちもなかなか難しい役どころな感じでありましたが、なんといっても項羽より劉邦より天下を執るに相応しい切れ者と言ったら・・張良さんではないんですかね(笑)。
あのなんとも心地いい台詞回しといい、物静かな佇まいといい、うっかり目でも見つめようものなら勝手に縦に首を振ってそうな程説得力ありましたよ。結局のところみな張良の手のひらで転がされているような〜気がいたしましたが(笑)。

これがさよなら公演になった桜乃彩音さんは、ほんとに綺麗でしたねぇ。桜乃さんの私の中のイメージは、洋より和だったから和物とか中国物とかは彼女の美しさを益々際立たせていたように思いました。

そんな美し〜い
虞が死んだあと項羽は残った家臣のためにも自害は出来ないと戦いに出て行くけど、その割には3日間もどこに潜んでいたんですかね。見つかって後世に残るであろう大そうな言葉を残しつつ自決するくらいなら、始めから敵陣の前に進み出て潔く首掻っ切って果てた方がカッコいいのに・・・なんて事は素人の考えるパフォーマンスでありますからどうでもいいですが(笑)。

それにしても、真飛聖さんの美しいお顔が苦悩に歪み・苦しみ・嘆く・様はこれぞ役者魂と言わざるを得ない迫力がありました。女優さんになった今となってはもう二度と見る事のない表情かも・です。

桃娘役の望海 風斗さん、はじめは男役なのになぁ〜って思っていたけど、なかなかどうして愛らしい桃な娘で、この役こそ男役でなければ出来ない役だったという気がしましたね。お歌も上手だし。

この『虞美人』を見ていて、花組の方々の顔と名前が割と分かって結構知ってるもんなんだな〜なんて変なところにも気がついたけど、これが実際舞台で観ると分からないんだよな〜ということも分かっています(笑)。
そしてこの公演を生の舞台で観ていたら、お話しの筋はまったく理解出来なかったであろう事もよ〜く分かっています。
だって

名前がややこしいもん(笑)。