地上の王冠が融けてゆく

やっぱり・どうしても気なって「アントニークレオパトラ」の本を取り寄せてみた。
なんとなく普通の小説だと思ったいたら、全編登場人物たちの会話で成り立っている本だったのね。
通りで読みやすい筈だわ。


第一幕の
「いやまったく・・・」から始まる舞台そのままの台詞・・・・いえ・逆です。小説のことばそのままが舞台の台詞になってるんですね。


舞台を見納めしてもう一週間経つけど、不思議と読んでいく時目は活字を追っているだけなのに、頭の中ではあの時の情景・セット・音楽が流れていてその言葉を話しているのも、舞台上のアントニーであったりクレオパトラであったり、シーザーであったり・・・。


公演が始まる前にじっくり読んでおけばより分かりやすかったかもしれないけど、終わってしまった今読んでも、その言葉を話している人物の息づかいまで聞こえてきそうな記憶が甦って来て、なんだか二度おいしいアンクレです(笑)。


舞台上のアンクレは小説の台詞がそのまま舞台に上がったわけではなく、ちょこちょこと省いてあったり、ばっさりなくなったりしている台詞・場面もあったけど、それでも膨大な台詞の量。本を完読するにも多少なりとも時間がかかった。
そんな気が遠くなるような台詞をみなさん、覚えたんですね。とうこちゃんがくら〜っとなりそうになったのも頷けます。


この本はいわゆる台本に近い形?のものだと思うと、なんだか愛おしい(笑)。
で・
またあらためて『アントニークレオパトラ』の特番を見てみた。
終わってしまった今見ると、やっぱりお稽古の段階のクレオパトラはまだまだ硬い!
とうこちゃんが「お稽古中には掴めなかったものが、舞台に立つと見えてくるものが多い」とよく言っていたけど、今回も実際に立った時から見えたクレオパトラの世界があったのかもしれない。
舞台上のクレオパトラは自由だったな〜。
あ〜もう一回観たかったな クレオパトラさまぁ〜
けど・


   私にはもう覚悟と素早い諦めのほかに道はない



のだよ・・・