クレオパトラの休日

久しぶりにタカラヅカニュースを見ていたら、ちょうど今公演の『カナリア』のアフタートークの様子が流れていた。
壮さんが誰かとお話しされていたんだけど、聞くともなしに聞いていたらどうやら前回出演されていた方のよう・・・ということはわかったけど、とうとうそれが誰だか分からないまま次が始まった。
で・夜またまたいいタイミングでニュースが始まったので再び見ていたら、画面にお名前の紹介が出た・・・・・えっ!?匠ひびきさん・・?


なんだか随分と変わられたような〜。ごめんなさいね・わかりませんでしたよ。
100年続く宝塚でさえ変わるんだもの、人間なんてそこ数年あれば立派に変われるものなんだよね・・しみじみ・・・
しみじみといえば、霧矢大夢さんの退団も宝塚の歴史が変わるひとつの出来事・・。


退団公演には行けそうにないからもう舞台を観ることも叶わないな〜と思ってたけど、なんともうっかり。12月の全ツで会えるではないの。
いや〜チケットの申込がかなり早かったからすっかり忘れておりましたよ。
しっかり見納めして参りましょう・・・・かなり気が早くて申し訳ないけど。


と・
いうわけで、いきなりとうこパトラです!!


とうこパトラの衣装はどのシーンも素敵な装いで、どの色も実に似合ってましたが、私はブルーのドレスが一番好きだったかな。
赤の衣装のギリギリまでスリットの入った立ち姿も捨てがたいですが(笑)なんだろうな〜どんな場面でも凛とした強さだとか、気位の高さだとかはこれでもか〜ってくらい全身に溢れているんだけど、なんだか色香が足りないような・・・・(笑)気がしたのは気のせいでしょう。


家臣をひっぱたいたり蹴飛ばしたり、たしかに女王さまだけが持つ特権を遺憾なく発揮できるわけだから、強くもなろうというものですが、アントニーと語っている時でさえ男には媚びないぞ・みたいな強さがあって、そんなところが見ていて実に清々しいです(笑)。


それにしても、よくまああんなに長い長い台詞を噛みもせず、縦板に水の如くしゃべれるのもだとまずはここに感心してしまいます・が・そこが役者さんなのでしょう。
とうこパトラの長台詞には毎回若干の緊張感が漂うのは致し方ないことだとしても(笑)何が一番印象に強かったかというと、イノバーバスがクレオパトラが如何に絶世の美女たるかを語るあのシーン。
いったいどのくらいの台詞の量なんだといらぬことに気を回しつつ、その長い台詞の間で時々相槌を打つイノバーバスの友達だっけ?この方も気が抜けないよな〜などとド素人の着眼点はちょっと違う事をここで白状しましょう。


まあそんなこんなな事を思いつつも、急展開で進むお話しにはついていってたはず(笑)。
シーザーが姉をアントニーのもとに嫁がせるために別れるシーンでは、何度も交される姉弟の抱擁に姉弟愛を超えるには充分過ぎる愛情を見せつけてくれるけど、このシーンがあるからか、アントニーが死んだとの知らせを聞いた時のシーザーの嘆きが堪える。


2回目観た時だったか、そのシーンは実はアントニーが死にました・・と聞くだけでの短い場面なんだけど、シーザーにはきっとこれまでのお互いの歴史が甦って来てるんだろうなと手に取るように分かる嘆きようで、感情が頂点に達しているだろう事が両頬に流れる涙が語っていた。シーザーの複雑な胸の内があの一瞬に凝縮されているようで、なんだか唯一男らしい男を見た気がした・・・・といってしまってはあんまりかな。



千秋楽の回は、クレオパトラの侍女とシーザーお二人の声の調子が少々気になったけど、これだけの台詞の量と発声では仕方ないのかも。
もう少ししたらいよいよ大阪公演が始まるけど、それまで皆さまの喉の調子が少しでも良くなればいいな〜と思わずにはいられません。
そしてなによりとうこパトラが万全の態勢で舞台に臨まれることを願ってやみません・・・・と・余計なおせっかいも言わずにはおれません(笑)