クレオパトラが奏でる歌

アントニークレオパトラ』の公演を観て思ったけど・・・というか観た後で気がついたけど、そういえば歌がなかったよな〜ということ。
とうこちゃんが今回のストレートプレイに対する不安を稽古に入る前には随分と語っていたことをすっかり忘れていた。


そのくらい舞台には引き込まれていく力があったし、あの長台詞が音楽を奏でるように語られていたことも歌がない事を忘れさせてくれたのだと思う。


とうこちゃんが口にしていた不安は始まってしまえば杞憂に終わったのではないなしら、と思う気持は軽々しくは語ってはいけないことかもしれないけれど、舞台を観ている間に「ここらでぜひお歌を」などという気持になることが一瞬もなく過ぎた・ということは、たとえとうこちゃんの舞台から歌を取ったとしてもそこには「安蘭けい」という揺ぎ無い舞台人だけが残るという証明になったのではないかしら・・・・なんて事をたかだかいちファンは偉そうに思ったわけです。


きっとこの時期にとうこちゃんがストレートプレイ作品に出会ったことがとうこちゃん自身の転機になったように、私にとっても「安蘭けい」さまの新たな一面を堪能できることになったわけだから,なんとも幸せな出来事だったのかもしれない。


福岡公演で観たクレオパトラが次の大阪公演ではどんなふうに深化しているのか、もう一度確かめられることが今は楽しみでしょうがないです。