汗と涙が創りだす世界

今日のお昼に流れた『アントニークレオパトラ』の舞台ができるまでの様子を収めた放送を見ました。
演出家の蜷川さんの密着か・と思いきやほとんどが「安蘭けいクレオパトラ」ができるまでを紹介されていて、とうこちゃんファンにとっては何ともありがたい番組になっておりましたね。


冒頭いきなりのアントニークレオパトラのキスシーンにドッキリしたり、いきなりの(懐かしい)アビヤントシーンにもドッキリしたりで1時間ず〜っと力が入っておりましたが(笑)。


まずはお稽古前のスチール撮影に臨むとうこちゃん。
衣装を身にまとった姿に蜷川さんは「綺麗・綺麗〜」と嬉しそうだったけど、とうこちゃんは「大丈夫ですか〜?」と心配そう。蜷川さんって実際は優しいんだな・・と思いながら見始めたけど、どっこい・やっぱり蜷川さんは蜷川さんみたいだった(ってかほとんど知らないけど笑)。


蜷川さんの演出は始めは役者さんがどう感じ、どう演じるのかを自由に表現させたうえで必要な部分だけを選び取っていく・・・・ようなやり方らしい。だから最初のお稽古も吉田さんととうこちゃんがお互いにお稽古した様子を眺めているだけ。それから段々と細かい演出が入るようだけど、妻の元に帰るアントニーとそれが許せないクレオパトラのシーンではとうこちゃんが嘆き苦しむさまに「もう少しその体を挑発的にみせてよ。その方が僕らは喜ぶんだから」みたいな注文でセクシーさを求める蜷川さんに困惑気味なご様子。アントニーが死んだ後のクレオパトラの表情にも「午後の人妻みたいに〜」とか、かなり抽象的な演出で答えを出させようとする。
けど、そんな演出のやり方に何回も何回もやり直して必死で挑むとうこちゃんの姿は、蜷川さんに全幅の信頼を寄せているのがよく分かる。


蜷川さんにとってのクレオパトラは強い女性のイメージしかないようで、それでも始めとうこちゃんは「どんなに強い女性でもどっかに必ず弱い部分はある・と思っていたけど蜷川さんからそれはいらないから」と言われたとインタビューに答えていたように、どのシーンでも力強さを要求する言葉が飛んでいた。
そんなふうに強い女だけを見せるのかと思っていると最後死にゆく場面では「男役じゃないよ」などの注意もあるし、見ているこちら側も「え〜どうしたらいいの?」と思わず力がはいるようなダメだし。


お稽古後半には笑顔も出る余裕も見られたけど、先日の「ヒルナンデス」で吉田さんが蜷川さんのダメだしは男でもダメージが大きい・・・というのがホント良く分かる難しさと厳しさ。
「こうやって〜」という指示より自らが考え答えを探り出させていくやり方は、役者そのものが試されている感じ。
とうこちゃんが「頭では分かる」という言葉にも試行錯誤の様子が分かるし、だからこそ蜷川さんに応えたいと思う意気込みも分かる。


中韓国を訪れた様子も流れたけど、蜷川さんはとうこちゃんが宝塚を4回目で受かったことや長くトップになれなかったこと、とうこちゃんのルーツが韓国であることなど知った上で「韓国公演は安蘭けいさんのため」と話されていた。
とうこちゃん自信も励みになる公演だろうし、ファンとしてもその気持が嬉しい。


たしかにお稽古の様子は厳しいし体力的にもハードのようだったけど、だからこそ初日を迎え無事幕を降ろした時の喜びは格別だったんだろうと、とうこちゃんの涙を見て思った。


幕が降りて舞台裏の通路を涙をこぼしながら歩くとうこちゃんを迎える蜷川さんは優しかった。
「よかった・よかった」と褒める蜷川さんに「大丈夫でした?」となんだか子どものような泣き顔で抱きつくとうこちゃんは可愛かった。


きっと「頑張って・頑張ってよかった」と心から思っただろうとうこちゃんに、まだ実際に舞台を見た訳でもないのに胸が熱くなって貰い泣きしそうになった。
これまでのキャリアはあってないようなものと、始めからすべてを教えてもらいそのすべてを吸収し、確実に力を付けていく姿勢には蜷川さんも吉田さんも好印象をもっておられるようで、安蘭けいの持つ力って計り知れないんだろうな〜と・あらためてとうこちゃんってすごい人なんだな〜と思わせて頂きました。


この番組がこちらだけの放送だったとしたら、なんてもったいない!!って思う。だってこんなに役者さん方の本気の稽古を見ていたら早く本物の舞台が観たくなってくるもの。



テレビ画面で見るトウコパトラのお化粧はちょっとビミョウ〜ではあったけど(笑)舞台上のクレオパトラはきっと威厳に満ち神々しいまでに美しいはず!!


明日の「瞳子祭り」を前に貴重なクレオパトラ誕生の瞬間を見せて頂き、実にありがたい前夜祭となりました。


これで「Aran」本が届けばなおハッピ〜だったけど、これは明日のお楽しみかな。