見納めな男役

『ロジェ』のスカステ放送見ました。
去年大劇場で観てから1年〜これは1回・あぁ『ロジェ』だけは2回観たんだったっけ。ショーは1回しか観てないけど・時間の都合上ってやつです。

まあ私のことだし、2回観たからと言って全てが理解できたわけじゃないから、ほら・登場人物の名前を覚えるの苦手だから(笑)今回放送を見て、こういうお話だったのね・ほ〜ぉ・なかなか奥深いさすが正塚せんせーの脚本・・・暗いわ・・・。

正塚ワールド独特の男の世界・裏社会・国際的犯罪・インターポール・・・う〜んどれもこれも難し過ぎるキーワード・・・・なんだけど、男役のカッコよさを引き出すには充分かと思われる演出の数々。

この放送の前に水夏希さんの「さよなら特別番組」を先に見たけどその中で「最後はザ・男役なお芝居で退団したかった」と話されていたから、これは正にそんな水さんの理想的な退団公演になったんですね。


劇場で観る時はいつも真剣に見てはいるんだけど、やっぱり「あ・今の仕草ステキ〜」だとか脇の方々の小芝居に目がいって若干集中力が散漫になるから「あれ?なにがどうなったの?」ということで終わることがなくもない。

だからそのときの疑問が実は一年後に解決する・・・ってこともあるわけなんですね(笑)。
この『ロジェ』はストーリーそのものは、いわゆる敵討でなんら難しいところはなかったけど、ちょこちょこ出てくる犯罪者同士の繋がりが分かっていなかった。
ので・
今回の放送を見ていて、伏線の張り方等うまくできていたんだな〜とさすが裏社会で生きてる正塚センセーの・・・・いえいえとんでもないです!(笑)正塚先生の演出の確かさが分かりました。

これは東京公演の千秋楽だから、ホントに最後の舞台。
見ているこちら側も1年前の作品だと分かっていても、感慨深い気持がこみ上げて来て、最後に銀橋を渡り舞台のみんなを見渡すところではうるっときてしまいましたよ。
当のご本人には涙はなかったようだけど、それでもぐっときてるだろう表情が見て取れてこうやって退団していくトップさんは幸せなんだろうな〜と思いました。


この作品を劇場で観た時、水さんはもちろんだけど特に印象に残ったのが早霧せいなさんのブリザード並みの冷やかさ(笑)と、緒月遠麻さん。緒月さんのクライマックスシーンからの出番であるにも拘らず、その場の空気をすべて自分に集中させる演技力にすごい!と感動した事を思い出しました。

あの日から1年経って水夏希さんの活躍振りもいろいろ届くけど、やっぱり男役の水夏希さん 素敵だったな〜とあらためて思ったわけです。
その時期によっては退団公演が続く時もあるけど、出来れば公演は「あ〜よかったね〜」で見終わるだけがいいけど、そうはいかないのが宝塚の宿命。
その時々が大切なのはジェンヌさんもファンもおんなじなんだろうね・・・と若干宝塚とは距離を置きつつもしみじみと思ってしまったのは、宝塚の男役は宝塚でしか見られないからなんだよね〜と水夏希さんのを見ていて寂しくなったからです・・・きっと。