ななちゃん

今日はまったくの
 _ ななちゃん回顧録_



2000年7月7日に我が家にやって来た雑種犬の子犬。
家族みんなで名前は何にしょうと考えた末、7月7日だからじゃ「なな」にしようと命名されたななちゃん。



屋外で飼っていたけど、いなかゆえ庭だけは無駄に広いから長いロープでかなり自由にさせていた。
その日も朝ごはんはいつも通りに平らげていたのに、夕方から体調が急変した。
病院の先生から熱射病の疑いがあるから、とにかく体を冷やすようにと言われ、氷やらアイスノンやら濡れタオルやらで冷やしてあげるも、どうにも回復せず朝を待って6時過ぎには病院へ駆け込んだ。



信頼している先生に預けたことで少しは安心感もあって、そのあとはいつものように仕事に行った。



あれは何時くらいだったのかな・・・たぶんお昼の12時前後だったかな。
それまで仕事に追われななちゃんの事はちょっと頭から離れていたのに、どうした訳か急にななちゃんと初めて対面した時の事や、散歩の様子・ジャンプしてくるっと回る仕草やらが走馬灯のように浮かんできて、ちょっとでも気を抜くと涙がこぼれそうになって必死で我慢した時間があった。



仕事帰りに病院に寄ったら、先生の困ったような哀しいような顔を見てすぐに分かったけど、綺麗な棺に納められお花まで添えられていたななちゃんは、そんなに苦しまずに逝ったとのこと。



何時くらいだったか聞いたら、お昼頃でした・・・・と。




あぁ・あのときだったんだ・・・
あのときななちゃんはさよならを言いに来てたんだな・・と思った。




車に乗せて自宅に帰りついた時、いつも私の車が見えると大喜びして走って来るななちゃんが来ないのが不思議だった。
家族の車なんか全然怖くないもんだから、車の前まで走り込んで来る事は承知の上で、わざとななちゃんの前でキュッと車を止めてそこをどくのを待つ。
渋々よけるのを待って、車を車庫に入れる。ドアが開くのをお座りして今か今かと待つななちゃん。
それをサイドミラーで確かめてわざとゆっくりドアを開ける・と、飛びかかる勢いで駆けよって来る。



毎日毎日これがお決まりの「ただいま」と「お帰り」の儀式のようなものだった。



11年間・・・短かったななちゃんの生涯だったかもしれないけど・・・
もう少しあれしてあげたらとか、こんなことしていたらとか、後悔はいっぱいあるけど・・・・



今は天国でノビノビ走り回っているだろうと思って、寂しくて寂しくてたまらないけど、我慢しましょ。


          
           ありがとね   ななちゃん