赤も白も結局は同じなのね

今からおよそ35年前
この地上に芽吹いたバラふたつ
赤いばらと白いばら
そこから始まる 優雅で耽美なめくるめく世界


宝塚史上最大のヒット作   宝塚を世に知らしめた話題作


そう   それが


ベルサイユのばら




見てしまったんだ…。



見ようと思って見たわけではなく、TVを付けたらこれが流れていたんだ。
安奈淳さんオスカルと榛名さんアンドレだから、多分第1次(?)ベルばらブームの頃の作品だろう。
見るとはなしに見ていたら、フィナーレまで見てしまっていた(笑)。


前半ロザリーの登場シーンの多さに「もしかしてこれは、ロザリー編かぁ?」と思うくらい大活躍。
で、ロザリーの母親やジャンヌ、ポリニャック夫人も出ていて、割と原作に近い人間関係だったり、台詞だったりした。
が・もちろん「そうもっていくか?」と、平成のベルばらで傾けた首をやっぱり元に戻すには至らない場面もあり、ベルばらはベルばらなんだと、歴史の重みを感じた(笑)。



しかしなあ・・


どのベルばらを見ても思うのは、どうしてオスカルをあそこまで女おんなにしてしまうのかな。
オスカルは子どもの頃はほんとに自分は男だと思っていたんだから、男っぽくても全然構わないと思うんだけどな。


私は、とうこオスカルが、戦闘シーン直前のブイエ将軍に向かって、
「命が惜しければ黙って聞けぇ〜ぃっつ!!」
って雄叫びを上げるとこが大好きなんだ。
だって一番オスカルらしいオスカルなんだもん。


だから、全編通してオスカルにはこういうオスカルでいて欲しい。
そして、その流れで「今宵一夜」に臨んで欲しいのだ。


ソファーに白いタイツ姿で斜め45度に足を傾けたりせず、思い切りよくドンと腰かけ、流れ星に頼ったりせず、自らアンドレを招き入れるのだ。
そして男らしく単刀直入に聞こう。
「おまえはこの私が好きかあ〜っ?ならば、私をだぁけ〜いっ!!」
「ええいっ なにをぐずぐずしている。おまえが来ないなら、私のほうからいかせてもらうぞ〜おっ」


そして、アンドレはオスカルに言われるがまま、段取りよく膝枕を貸し、ブロンドの髪をなで、顎に手をあて(恐怖に)心を震わせてくちづけを交わすのだ。


            暗転


いいじゃないか。


まあ、これではあまりにアンドレに気の毒だし、哀れだよなあ。
せっかくの見せ場だしなあ。


でも、あのシーンをなんかこっぱずかしいぞ、って気持ちで見ている人は少なからずいると思うんだ。
このくらいやった方が、いっそ清々しいんだがな・・・。

しかし、この「今宵一夜」のシーンはこの頃から殆ど変更なく脈々と受け継がれてきた、という事は、これから先も変わる事はない訳だ(笑)。



最近の宝塚の舞台化粧はかなりナチュラルになってきているらしいってことで、昔の舞台化粧はどんなに激しかったんだろう、と思ったら意外とそうでもなく、中にはほとんどしてないんじゃって方もいた。
さすがに、かつらと軍服は時代を感じてしまうが。


トップさん方が銀橋に入る直前の拍手は、この頃からお決まりだったのね。
どんなシーンにおいても、拍手はもれなく入るんだ。
こはちょっと〜っていうシーンにもお構いなく入る。だから、台詞が聞き取れないよ〜てなとこもある。


この頃の上演時間がどのくらいだったのかは分からないが、1部・2部・3部まであったのには驚いた。  が、なにが驚いたって、




最後のフィナーレで大階段を降りたトップさんクラスの方々が銀橋に出て、にこやかに笑顔を振りまく・・。


ここまでは今でもおなじみの光景。


が、ここからが、今まで見たことない光景が展開される。


端にいる人から順に本舞台に戻るわけだが、最初の数人はやや早足、それから数人は急ぎ足、それからだんだん小走りになり、一番戻るのに距離のあるトップさんに至っては、走って駆け込み、センターキープ状態なわけ。



なぜ?



フィナーレの演奏時間が短いの?
時間が押してるの?


せっかく優美に事を進めてるんだから、最後の最後くらいもっと落ち着こうよ。
余韻を楽しもうよ。




頭の中に浮かぶ ?マークは見終わった後も残像を残したが、
なんやかんやと言いつつも、最後まで私をTVの前に留まらせた力は本物なんだろう。





宝塚の救世主とも言える作品
ベルサイユのばら


時代を超えて人々に愛され感動を与える作品
ベルサイユのばら



宝塚を愛していく限り飽くなき闘いは続くのだろう・・・・。





とどのつまり


ベルばらは ベルばらってことだ(笑)。