玉手箱の不思議

宝塚の夢の扉を開けたばかりのころの私には、その夢の世界が ???
なことばかりだった。


宝塚大劇場東京宝塚劇場と二つあることも知らなかったし、それぞれに初日・千秋楽があることも知らなかった。
新人公演が各1回こっきり、ってことも当然ながら知らず。


今思えばおかしなことだが、初めて自分で買った和央さんの「ラストディ」と大劇場の「さよならショー」のDVDの映像が違うことの意味も分からず、さよならショーの構成は同じなのに、持ってるバラの向きが反対なのはなんでだろう?と思っていた。


初めて大劇場に行った時は、休憩時間のトイレタイムで並んでいたとき、聞こえてくる会話に驚いた。
「とうこがね〜」とか「とうこさんがさぁ〜」
とか、「ええっ みなさん 安蘭けいさんとお知り合いなの?」
と、なんていうのか、自分の身内感覚でおしゃべりされていたのに、びっくりしたもんだ。


東京宝塚劇場で初めて見た、いわゆる入り待ちの光景にも圧倒された。
田舎者の私には、東京という街そのものが、おっかなびっくりなのに、やっと辿り着いたそこで見た、あの大勢の人々達。みんな一斉にわたしの方見てるし・・(こらこら)っていうか、私は全く気付いていなかったけど、どうやら私のすぐ前を生徒さんが歩いていたようで、その方にみんなの視線が集まっていただけの事なんだけど、東京初上陸の私には刺激が強過ぎた(笑)。


この時、初めてとうこちゃんのOFFの姿を拝見した。後ろ姿だけだったけど。



あれから3年。
    私は大人になった。 


周りにとうこファンもディープな宝塚ファンもいない私には、いろんな疑問や不思議は自分で見て、聞いて調べるしか方法はなかった。それはまるで未開の土地をひとり彷徨う様な心許無さと、しかし見果てぬ夢をこの目で確認したいという欲望の後押しにより成し遂げられた成果で、その達成感と充実感は味わうには充分過ぎるものだった!
               
               完




と・まあこんな具合に今では立派な宝塚ファンであるし、とうこちゃんなくして私の生活は成り立たない のである。


ある意味なにが飛び出すか分からない玉手箱のような宝塚だけど、とうこちゃん同様に愛していきたいものだ。