ダニーVSゴッホ

花組オーシャンズ11』大劇場公演は、めでたく千秋楽を迎えたようですね。
本来は1回の観劇予定が2回になったのは、そりゃもう蘭寿さんはじめみなさんの歌のうまさやら、素敵さやら、面白さやらにすっかり魅せられたからで、久々に観た宝塚はやっぱりいいな〜とあらためて思いましたよ。

2回とも2階B席半分は学生さんで埋め尽くされていて、それなりに繁盛?しているようで安心しましたが(笑)、この大勢の女の子の中から将来のジェンヌさんが誕生〜なんてこともあるんだろうな、などと待ち時間の間考えたりしておりました。

さて・
オーシャンズ星組公演の時から、ビジュアルの素敵さではもう文句なしに気に入っていた作品ではありましたが、毎度のことながら観劇は叶わず、ひたすらスカステ放送を待つ身でありますから、花組公演を観るのは実は大変な楽しみでもありました。

ダニー・オーシャンの蘭寿とむさん・登場シーンから「おお〜ザ・男役」ってな隙のない佇まいに「ほ〜」となりながらも、あの囚人服がいつの間にスーツに変わっていたのかを見逃してしまい、ちょっと悔やまれました(笑)。もちろん2回目には瞬きもせず目を凝らしておりましたから、もう安心です。
ダニーを観た方々の大方の意見は
「あのスーツの下のシャツがなぜにああも無防備なのか」
ではないか・と勝手に思わないでもないのですが、そこはきっとダニーゆえのこだわりなのでしょう・・・ってか とむさんの・・・(笑)。

今回登場シーンから素敵な歌声を披露してくれるテス・こと蘭ちゃん。「へ〜お上手なんだねぇ」と、うっとり聴かせていただきました。
「エコ・プリンセス」ってありがたいのかどうか分からないショースターという役どころを、なかなか大人な感じで演じていたようにみえました。ただ、言い合ったり興奮したりすると、キャン・キャンうるさいだけの幼さが感じられたのはちょっと残念だったかな。

あと・ず〜っとダニーとは一刻も早く離婚したいと思っていた割には、最後急展開で元鞘に収まるあたり、ほんとにいいの〜ってな疑問と「だまされた」と騒いでいた元凶が何だったのかよく分かりませんでしたが・・・。
それからど〜でもいいところだけど、テスがダニーをひっぱたくところの衣装が、星組のねねちゃんが着ていた衣装より胸元がすっきりしていたのがよかった。ど〜してもねねちゃんのあの洋服は窮屈そうに見えたもの。

ラスティー・ライアンの北翔海莉さんはさすがにどこを取ってもうまい!としか言いようがなかったですね。お歌はもちろんのこと、今回はあのアドリブの場面を毎回楽しみにしている人も多いことでしょう・・・ってなくらい笑いが起きていて、もう自由自在って感じがしました。
専科の北翔さんをラスティーに起用されたことは大正解だったと思います。

そして、今回私の心をぐっと掴んで離さなかったのがテリー・ベネディクト役の望海風斗さん。彼女がお歌が上手なことは知っていたつもりだったけど、きっとこんなにたくさん聴いたのは初めてなんだと思う。瞳子ちゃんの歌を聞いた時のような感動がありました。

実際には相当な悪人テリーがテスの前では「心優しい男性」であるふりをするところだとか、窮地に陥ってテスに本性を見せる辺りの変貌ぶりだとかを「うまいな〜」と思わせる辺り、大物感満載です。

始まりから終わりまで・・ダニーに負けたと分かってもなおそれを認めず牙を剥き、悪の執念を燃やし続けるであろうベネディクトの生き様はある意味カッコいいのかも・・・いや・そう感じさせた望海さんがカッコよかったのでしょう。


それにしても、ベネディクトたるもの幾つもの顔を使い分ける術は持ち合わせていても、ライアンのあの鋭いアドリブの前には相当厚い仮面が必要なのではないかと想像できます(笑)。

あとのオーシャンズメンバーは、それなりに特殊な才能をお持ちの方々ばかりなのに、2幕でそれを特別披露するわけでも、壮大といわれる計画の中で役に立ててる場面もなく・・・いやいや11人もの特殊技能をすべて見せる時間がないことは誰にだって分かってますから、そこらへんはど〜でもいいのですが、なんだか「大胆不敵な決行」がもの凄く「あっけなく遂行」出来てしまって、見終わった後の感想は

 ショーのイリュージョンでのダニー・テスの脱走劇

がやりたかったのかな〜などと考えてしまいましたが・・・(笑)


ま・それはそれとしても、一輪車に乗ったり、リボンを操ったり、ジェンヌさんってほんとなんでもできるのね〜と感心いたしました。
感心・・・と言えばやはり桜一花さんのクィーンダイアナはインパクトありましたね。結構登場シーンも多くて、最後「白雪姫の継母に出るの〜」と言って去っていくところの拍手が大きくて「?」となりましたが、別に退団されるわけでもないと思うんだけど。

そう言えば、8日には始まる前に大きなどよめきと拍手があっていたので、どなたかが入って来られたんだろうな〜と思いながらも、2階席後方では見えるわけもなく、そのうちお芝居に引き込まれていたら、途中のアドリブで(ライアンではないところ)「そうそう トップスターの壮さん」っとかなんとかの話が出ていたんで、きっと壮さんがいらしてたんでしょうね。

2階席だと絶対に見えないのに、大概の人は背伸びして確かめようとする辺り気持はみんな同じなんですね・私も含め(笑)。

今回愛しい瞳子ちゃんに背を向け、オーシャンズのメンバーに「愛と勇気とパワー」をもらいに行ってしまったこと

わ・た・く・し・・・・後悔・・いたしません・・・た・ぶ・ん。