宝塚でしかできないこと

アサヒ・コムのスターファイルに載っているヅカナビは今回は『オーシャンズ11』についてなんだけど、お話しの筋・・というか映画では出来ても舞台上でそれは無理でしょう〜という辺りの話がとても分かりやすく説明されていて、なかなか興味深く読みました。

映画版を見たことはないし、ましてや公演を見たわけでもないから、どこがどう変化しているのかは読んで想像するしかないんだけど、確かに「爆破の達人」バジャーがそのままでは舞台上で相当の爆破シーンが必要になってくるのでしょう。
だから、イリュージョンという魔法のような手段で活躍させる事になったんですね。

モロイ兄弟も映画では車担当で派手なカーチェイスも繰り広げられていたんでしょうが、舞台でその迫力はだせないので、そこを映像加工の達人・・としたわけなんですね。
そもそも映画版「オーシャンズ11」は犯罪アクションにカテゴライズされているそうで、そこで行われる鮮やかでスリリングな金庫破りを楽しむ作品なんだろうけど、まあ犯罪には違いない。

そこをどう理由付けで宝塚的にするか・・・。
なるほどね〜。

「金庫破りは犯罪なのであるから、それを主人公が行うだけの正当性が必要」

と・誰もが納得できるよう小池先生は緻密に計算されてるんですね。

たしかにそこに観客の共感を得られなければ、要は面白ければいいんじゃないのって事にもなりかねないもの・・。
けど・過去にはそんな理屈も・屁理屈も関係ない面白ければいいのよ的な作品はあったようにも思うけど(笑)。
まあそれはさて置き、だから宝塚版ではベネディクトがけっこうな悪にされ、その悪を懲らしめるためダニー以下それぞれのメンバーが正当な目的のもと目標達成に向け頑張る・・・とされているらしい。

そしてもっとも宝塚的だと思うのがそんな悪人ベネディクトにも、極悪非道にならざるを得ない背景が用意されている点。だから最後ダニー達に完敗するも「なんだか可哀想」と思わせるだけの魅力的な人物にされているらしい。
スカステの公演ダイジェストでダニーが「俺たちはひとりも殺さずに、この目的を達しなければならない」と言う台詞を聞きながら、全てはこの言葉に集約されていたんだね〜と納得しましたよ。

さて・

この星組公演も残すところあとあと1週間程になってきて、前評判通りの成果を収めたのではないかしらと思いますが。
如何せん・「なるほど〜・さすがだわ〜」と感動できるのは今から1年後になりますゆえ、それまでこの気持ちが持続できるかは大いに疑問ではあります。まっその間に映画版を見ておくという手もあることに今気がつきましたが(笑)。

これからご覧になる方々、残り少ない公演をど〜ぞ心してお楽しみくださいませ(余計なお世話ですが笑)。


さてさて・ここからはとうこちゃんです。
このスターファイルには今月『CHESS IN CONCERT』で音楽監督とピアノ演奏をする島健さんのインタビューもありました。とうこちゃんとは「ワンダフル・タウン』で一緒に仕事をされ『エディット・ピアフ』も『MITSUKO』もご覧になったそうだけど、安蘭けいさまのことは「幅が広いというかコミカルな役からシリアスな役まで、少女からおばあちゃんまで(笑)、芸達者ですよね。今回本当に楽しみです。」と語っていらっしゃいます。ファンとしてはこんなに嬉しい言葉はありませんよ。

けど、芸達者って言葉を見た時に「そうなんだ〜とうこちゃんって芸達者だったんだ〜」と・ふと思ってしまいました。いえいえ我らが安蘭けいさまが大根役者などとは天地がひっくり返ったって考えに浮かぶような言葉ではありませんよ!!(笑)

ただ、これまでいろんな人物になりその時々を生き抜いてきた舞台を観ながらも、そこに安蘭けいその人をみる事はあまりなく、いつも舞台上にいる人物に想いを馳せて観ていたから、なんていうかそれがあまりに自然過ぎてとうこちゃんが一から創り上げた努力の賜物であるという根本的なところを忘れておりました。

島さんが言うように、少女時代も年老いた姿もそれを現わすには「芸」の力がなければ決して創り上げる事の出来ない世界なんですよね。
安蘭けいはその「芸」の力を持った女優さんであることを思い出させていただきました次第で〜(若干恋は盲目的な部分もありますゆえお許しを・笑)
宝塚時代から歌やお芝居には定評がありそれは周知の事実なんだけど、今回音楽の世界で活躍されている島さんの言葉で聞くとやっぱり嬉しいなあと思ったわけなんです。

と・
いうことでいよいよ明日から始まる『CHESS IN CONCERT』
どんな素敵なとうこさまが見られるのか・・・あ〜楽しみです!!

そしてこちらも観に行かれる方々は心から楽しんで来てくださいませ。