ごめんなさい(笑)

とうこちゃんのクレオパトラがもうすぐ初日を迎えるけど、そんな事とは何の関係もなく・何の脈絡もなく・唐突に始まる
               「夢の競演物語」

頭を抱え込みたい方はど〜ぞ❤




「パーシー!パーシー・・どこにいるの?いたら返事をしてくださいな」
「・・・どうしたんだい ミツコ」
「あぁ〜パーシー 今日は私のお兄様方がお見えになる日よ。お迎えの準備をしなくてはなりませんの。少しは手伝ってくださいな」
「そうだねぇ・・けど手伝いならほら・そこにいるアイーダに頼めばいいんじゃないか?」
「あら アイーダはダメよ。明日の満月に備えて恋人のラダメスと旅行に行く準備をしている最中なんですから」
「なにも月の満ちる頃を待って 旅行に行く必要もないだろうに・・」
「そういうわけにはまいりませんのよ。新月から数えて14番目の月を合図に旅に出るのが恋人たちの習し・・・ってこれはお父様には内緒にしておかなくてはいけない事だったわ」
「いったい どこに行くんだい?」
「エジプトよ。なんでも『あなたもできる地下牢生活体験ツアー』ってものがあるんですって」
「あんまりいい趣味とはいえないが・・・まあラダメス君が一緒なら安心だ」

 
「パーシーったら・・・じゃお手伝いは息子に頼もうかしら?ルドルフ?ルドルフお願いよ〜」
「ママ〜っ みんなが言うんだ ママのジャマをしてはいけないって」
「まあ 誰がそんな事を言ったの?ママがお城にいる時にはあなたを一人ぽっちにしたことはないでしょう。さあお膝にいらっしゃい。ねえパーシー フドルフにもそろそろ外国語のお勉強が必要だと思って、ラテン語の家庭教師を付けることにしましたの。私の知り合いに ジュリアン・ソレルって方がいらしてね お若いのにラテン語の聖書を全部暗記されてるほど優秀なんですって」
「ほ〜それは素晴らしい どんな青年なんだい?」
「そうですわね ひと言で言うなら生きる事に情熱と野望を抱いて明日を夢見る青年ってとこかしら」
「なるほど〜 だが若くてハンサムでおまけにラテン語ができて・・では私がフランスに出かけている間がなんだか心配になってくるよ ミツコ 」
「いやですわ〜・・。私は何もかも捨ててあなたのところに参りましたのよ・・それは時々は生まれ育った町 牛込納戸町が恋しくなる時もありますけど、今は幸せなんですよ」
「ミツコ・・・」


「それはそうとパーシー 一足早くお着きになっているあなたのお姉さまとだんな様はどちらかしら?そろそろ午後のお茶の時間ですわ」
「オスカル姉さんと義兄さんなら庭の薔薇園を散歩していたようだが・・」
「いつ見ても綺麗なおふたりですこと。まるで漫画の世界から抜け出てきたような美しさ。あの芳しさや麗しさは 到底かないませんわ」
「私の自慢の姉だからね だがあれで結構男勝りなところがあってね 先日フランスに行った際 姉さんの会社を覗いてみたんだ。なにやら一筋縄ではいかない男どもを相手に博愛主義における民主的経営の在り方を熱弁していた。 姉さんは自分の地位や給料にはあまり執着心がないんだ。 いつか経営陣に反旗を翻し労働組合側につくのではないかとか心配なんだよ」
「オスカルお義姉さまは信念のお方 わたくし達の意見は聞き入れてはくださらないわ。けどあんなに素敵なだんな様が一緒だもの大丈夫ですわよ」
「たしかに・・・優しいアンドレ義兄さんと結婚出来て姉さんは幸せだろう」
「ええ ほんとうに おふたりを見ているだけで幸せになりますわね」


「そういう君の兄さん方もなかなか立派な人物ばかりじゃないか。長男のリコ義兄さんはカジノ経営で財を成し 今やその世界で彼の名を知らぬ者はいないほどの有名人だし 二男ティリアン義兄さんも 自分の野心に理由など無い とばかりにつき進んだ結果が海軍総督だ。確固たる信念がなければ叶う地位ではない。三男のダゴベール君は器用な手先を生かしてクラウンジュエリー専門の会社を立ち上げ 今をときめく青年実業家だ」
「本当にどのお兄様も尊敬できる方々ですわ」
「しかも君のお父上 龍星お義父さんは一国の首相ときている。私は時々自分自身が弱く感じる時があるよ」
「まあ なにを仰いますの。あなただって国を隔てた救援活動をなさっているではありませんか。しかもその活動を決して公にはしない ボランティア精神でなさっている。誰にでもできることではありませんわ」
「ありがとう ミツコ 君が理解してくれればそれでいい」
「それにパーシー あなただってプリンス オブ ウェールズ殿下と親しくさせて頂いてますでしょう。あなたは貴族なんですもの 尊いお家柄ですわ。そんなあなたに巡り会えたことは奇跡ですわね」


「考えてみたら たしかにわたし達ファミリーは 多国籍な集まりではあるね。だが 肌の色の違いも 信じる神の違いも 認め合い 向かい合ったからこそ愛は国境をも越えたんだよ」
「そうですわね 誰もが後ろを振り向かずに歩いてきたからこそ 今の幸せがあるのでしょう」



「さあ!みんなが揃ったところで英国式ティータイムといこう」
「ねえパーシー お隣のヤン・パラフさんとイカロスぼうやも呼んでいいかしら?それから今宵一夜限りのサプライズでトート伯父様にもいらしてもらう予定なのよ。あぁ〜それから映画監督のレイモンドさんと俳優のドン・ロックウッド氏でしょう。そのお仲間の安禄山さんと佐々木小次郎さんもご一緒にお見えになりますわよ。もしかしたら佐々木さんのお友達の石川さんも来られるかしら。 ただダゴベールお兄さまがお若い頃一度だけお世話になったフランコ・ミラー警部もお見えになるけど、もう過去の事だしお兄さまにもやんちゃな時があったって事でもう笑い話ですわよね。あ〜 楽しみですわ。」


「・・・君の交際範囲は夫のぼくにもよく把握できていないが、いったいどこで知り合ったんだい?」
「あら それをお話しするには時間が足りませんわ。  さあ〜 いただきましょう」
「ミツコ 君は一番大切な親友の存在を忘れてはいないかい。ほら あそこの木の陰をみてごらん・・・・」
「まあ いやだわ!!私とした事が・・・。さあ こちらへいらっしゃいな。みんながあなたを待っているわ  グラパン!!」




頭を抱え込ませたうえに、ため息までつかせてしまったようで・・・ごめんなさい(笑)
えぇ・ちょっと暇を持て余してたんです・・・・これっきりです。
        おしまいです。